２０２X ある日の行政書士 第７話

202X年　ある日の行政書士　第７話

　オルガのメタバース会議室はとてもリアルだった。

　オルガのメタバース会議室は、バーチャルリアリティ用デバイス｢Oculus Quest 2｣（以下Quest 2）を使って、ネット内に用意された会議室に入って、遠隔地にいる人間同士が対話できる。利用は現状、無料だ。

　オルガは、メタバース会議室にいた。オルガの３Dは本物と見がまうほどリアル。目の前に本物いるような感じである。５G技術がなければこれほどリアルな３Dは作れない。

　声は、相手がいる方向からこえてくる。まるで会議室で話しているような感じである。声に合わせて口も動くから驚きである。コントローラーやOculus Quest 2の｢手認識機能｣を利用して身振り手振りも伝わる。

　外界を確認する｢パススルー｣機能を使用すれば周りの様子を把握できる。さらに、仮想空間で使える「机」もある。驚いたことには、｢PC自体を認識させ、仮想空間に表示する｣こともできる。 仮想空間でPCを使って仕事もできるのである。

「隆、リアルな３Dね。」オルガの声に驚いて、隆はオルガの３Dを見た。