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行政書士と法廷後見⑭

  • ezily5
  • 2022年9月15日
  • 読了時間: 4分

行政書士と法定後見⑭ 高齢の方で自分の判断能力や身体能力に不安を感ずる場合は、財産管理委任契約を締結しておくとよい。財産管理委任契約とは ①特定の目的ための財産管理 ②医療機関や福祉施設利用手続きの代行が主な内容である ③財産管理委任契約は、判断能力の低下を前提としてはいないので誰でも契約できる。 具体的には ①については 委任者の預金通帳などを預かり、金融機関との取引や、定期的な収入の受け取り、公共料金の支払いといった行為を受任者が委任者を代理して行うこと。 ②については 医療機関や福祉サービスの利用に関する手続きを委任(医療費や福祉サービス利用料金の支払いも含まれる。)する。 財産管理委任契約を締結に当たっては次のような注意点がある。 ①契約の履行監督する機関がない。 ②委任者の行った契約の取り消しができない 財産管理委任契約には法定後見制度のような取消権がない。 ③医療行為の同意ができない(成年後見や任意後見といった制度でもできない。) ④財産管理委任契約による手続きを認めていない金融機関がある。 財産管理委任契約は公正証書で作成すべきあることは、見守り契約、死後事務委任契約と同様である。 「財産管理等の委任契約書」サンプル 第1条(契約の趣旨) 甲は、乙に対し、平成○○年○月○日、甲の生活、療養看護及び財産の管理に関する事 務(以下「委任事務」という。)を委任し、乙はこれを受任する。 第2条(任意後見契約との関係) 1 前条の委任契約(以下「本委任契約」という。)締結後、甲が精神上の障害により事理を 弁識する能力が不十分な状況になり、乙が第2の任意後見契約による後見事務を行うことを 相当と認めたときは、乙は、家庭裁判所に対し、任意後見監督人の選任の請求をする。 2 本委任契約は、第2の任意後見契約につき任意後見監督人が選任され、同契約が効力を 生じた時に終了する。 第3条(委任事務の範囲) 甲は、乙に対し、「別紙代理権目録(委任契約)」記載の委任事務(以下「本件委任事務」 という。)を委任し、その事務処理のための代理権を付与する。 第4条(証書等の引渡し等) 1 甲は、乙に対し、本件委任事務処理のために必要と認める範囲で、適宜の時期に、次の 証書等及びこれらに準ずるものを引き渡す。 ①登記済権利証、②実印・銀行印、③印鑑登録カード・住民基本台帳カード、④預貯金通 帳、⑤各種キャッシュカード、⑥有価証券・その預り証、⑦年金関係書類、⑧土地・建物 賃貸借契約書等の重要な契約書類 2 乙は、前項の証書等の引渡しを受けたときは、甲に対し、預り証を交付してこれを保管 し、右証書等を本件委任事務処理のために使用することができる。 第5条(費用の負担) 乙が本件委任事務を処理するために必要な費用は、甲の負担とし、乙は、その管理する 甲の財産からこれを支出することができる。 第6条(報酬) 〔報酬額の定めがある場合〕 甲は、乙に対し、本件委任事務処理に対する報酬として毎月末日限り金○○円を支払う ものとし、乙は、その管理する甲の財産からその支払を受けることができる。 〔無報酬の場合〕 乙の本件委任事務処理は、無報酬とする。 第7条(報告> 1 乙は、甲に対し、○か月ごとに、本件委任事務処理の状況につき報告書を提出して報告 する。 2 甲は、乙に対し、いつでも、本件委任事務処理状況につき報告を求めることができる。 第8条(契約の変更) 本委任契約に定める代理権の範囲を変更する契約は、公正証書によってするものとする。 第9条(契約の解除) 甲及び乙は、いつでも本委任契約を解除することができる。ただし、解除は公証人の認 証を受けた書面によってしなければならない。 第10条(契約の終了) 本委任契約は、第2条第2項に定める場合のほか、次の場合に終了する。 (1)甲又は乙が死亡し又は破産手続開始決定を受けたとき (2)乙が後見開始の審判を受けたとき

 
 
 

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