行政書士と刑法基礎57(犯人蔵匿罪・証拠隠滅罪)
- ezily5
- 2022年11月13日
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行政書士と刑法基礎57(犯人蔵匿罪・証拠隠滅罪) 「行政書士と刑法基礎」がとうとう、最終回になった。
さて、犯人蔵匿罪・証拠隠滅罪は刑法では、手薄になりがちである。刑法の最後に勉強するからである。犯人蔵匿罪・証拠隠滅罪保護法益と要件はあまり問題とはならないが、犯人隠匿罪の保護法益は「一般的な司法の役割保護」であり、今まで刑罰とは異なって抽象的な保護法益である。
犯人蔵匿罪の要件は ①罰金以上の刑にあたる者or拘禁中に逃走した者。 蔵匿や隠避される犯人は別に真犯人である必要はない。犯罪の嫌疑を受けている者であればよい。 ②蔵匿・隠避 蔵匿とは隠避場所を提供することであり、隠避とは蔵匿以外の方法で発見・逮捕を免れさせる行為である。犯人の身代わりとしての出頭も隠避に当たり、代わり出頭は犯人隠避罪になる。 ③故意
証拠隠滅罪(刑法104条)の保護法益・要件 拠隠滅罪の保護法益は、犯人蔵匿罪と同様であり、刑事司法の円滑な運営を妨げたら罪に問われることになる。
証拠隠滅罪(刑法104条)の要件 ①他人の刑事事件に関する証拠 犯人蔵匿罪(刑法103条)とは異なり、罰金以上といった制限はない。 ②隠滅or偽造・変造or偽造変造証拠の使用 偽造や変造は文書偽造罪の場合とは異なります。偽造は存在しない証拠を作りだすこと。変造は真実の証拠に加工してその証拠としての効果に変更を加えることである。上申書や被害届のような書面に虚偽の事実を記載した場合には「偽造」とされる。参考人として虚偽の供述をしたり虚偽の供述調書を作成した場合は一般的に「偽造」には当たらない。 ③故意
次に、犯人蔵匿罪・証拠隠滅罪の論点であるが、 ①犯人自身による犯人蔵匿や証拠隠滅は期待可能性がないので犯罪が成立しない。期待可能性とは正しい行為をする可能性のことである。 ②共犯者を蔵匿したり、共犯者の証拠を隠滅する場合は、犯人蔵匿罪は成立するが、証拠隠滅罪は自己の刑事事件として犯罪は成立しない。
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