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行政書士と刑法の基礎46(強盗罪)

  • ezily5
  • 2022年11月2日
  • 読了時間: 2分

行政書士と刑法の基礎46(強盗罪)  強盗罪は窃盗罪の進化形である。事後強盗罪及び強盗致傷罪と関連している。 強盗罪は刑法236条第1項、第2項に定められており、第1項強盗罪と第2項強盗罪がある。  強盗罪=暴行脅迫+窃盗であるので、強盗罪は人身犯的側面(人の身体・生命・自由に対する罪)と窃盗という財産犯的側面(占有に対する罪)の2面性がある。  つまり、強盗罪の法益保護は、人の身体・生命・自由、占有ということになる。  さて、前述した第1項強盗罪と第2項強盗罪であるが 第1項強盗罪の要件は次のとお

りになる。  ①暴行・脅迫   反抗を抑圧する程度の暴行または脅迫、大男が中枢部を狙って素手で暴行してきた場合

 が該当する。暴行・脅迫時の状況(助けを呼べる人が周りにいるか、周囲に人がいない空

 地か)や時間帯(助けを呼べる昼間か、呼びにくい夜か)といった点も重要。  ②他人の占有   罪物を無理やり奪い取る形なので被害者がその物を占有している。  ③財物   禁制品(覚醒剤、銃砲等)や通帳なども含む。  ④強取   反抗を抑圧する程度の暴行または脅迫によって財物を奪取すること。  ⑥故意  ⑦不法領得   不法領得の意思は財産犯にはすべて出てくる。窃盗剤と同様権利者排除意思と利用処分

 意思がある。  第2項強盗罪の要件は次のとおりである。  ①暴行・脅迫  ②財産上の不法の利益  ③利益移転   利益は直接移転する必要がある。債権者を殺害した場合は、契約書が残っているので、

 利益が直接移転したとは言えない。  ④故意  ⑤不法領得の意思   第1項強盗罪の要件と異なるのは財産上の利益・利益移転である。  暴行・脅迫の後に、財物奪取の意思(強盗の故意)が生じて財物を奪ったとしても強盗罪

 は成立しない。強盗剤が成立するためには暴行・脅迫の意思+財物奪取の意思(強盗の故

 意)でなければならない。   ただし、暴行・脅迫→財物奪取の意思→暴行・脅迫→奪取であれば強盗罪が成立しま

 す。故意の後に暴行・脅迫及び奪取という強盗 の構成要件を行っているからだ。   2番目の暴行・脅迫は「反抗を抑圧する程度」はそれ自体で反抗を抑圧する程度にな

 っていなくても、1番目の暴行・脅迫と合わさって= 反抗抑圧状態を維持・継続させ

 る程度の暴行・脅迫であればよい、とされている。時間的場所的近接性がある場合、暴

 行・脅迫の影響は 残りやすいからである。

 
 
 

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