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終活と行政書士⑪(家族信託)

  • ezily5
  • 2020年10月6日
  • 読了時間: 8分

終活と行政書士⑪(家族信託) 遺言書より確実なのが家族信託である。 家族信託とは親家族信託とは、家族間で行う「信託」のことである。信託とは、信頼できる相手に財産等やその管理方法を「託す」契約をいう。

家族信託の登場人物は次の三者である。 〇財産等を委託する人(委託者) 〇委託される人(受託者) 〇委託された財産から利益を得る人(受益者)

家族信託のメリット 〇家族信託を活用すれば、相続財産を特定のご家族のために管理するよう、信頼できる別の親族に委託することもできる。

〇二次相続以降の相続も決められる

〇財産を誰が相続するか指定することはもちろん、その財産を次に誰が相続するかまで指定することができる。

〇親が認知症になった後の財産管理ができる。

〇成年後見人制度よりも柔軟に運用できる。

家族信託を行う手順 手順1:信託契約の内容を決める

まずは何のために財産管理を信託するのか、その目的を定めて、管理してもらう財産、委託者、受益者を決める。 特に家族信託は、信頼できる親族にお願いすることが前提ですから、誰を委託者にするかが非常に大切だ。

手順2:信託契約を結ぶ

家族間の契約といっても、信託契約を締結していることは外部に示す機会が多いものだ。 したがって、内容はきちんと契約書にする必要がある。 信託の目的や信託財産の目録など、必要な事項を漏れなく記載しなければならない。

手順3:名義変更が必要になる場合も

家族信託を締結した後は、その契約内容に応じた管理を開始する。 もし不動産であれば、委託した親族への名義変更の登記も行う必要がある。

家族信託を行う上で注意したいのが遺留分だ。遺留分を侵害する家族信託を行った場合、他の親族から遺留分に基づく財産分与の請求が為され、家族信託の内容どおりに相続が進まない可能性が高い。

契約書の作成

家族信託は、専門家に依頼せずとも行うことができますが、最大の注意点は契約書の書き方だ。契約書で大切なのは、その内容で本当に登記ができるか、また民間の金融機関や不動産会社などが信用して動いてくれるかという点になる。

契約書を公正証書にすることで、書式に不備があれば教えてもらうことはできますが、こうした契約書の効果まで責任を負ってくれるわけではない。

家族信託契約の実例 信託契約書

委託者○○太郎(以下「甲」という。)および受託者○○一郎(以下「乙」という。)は、本日、以下のとおり信託契約を締結する(以下「本契約」という。)。

第1条(本契約の趣旨) 委託者甲は、受託者乙に対し、第2条記載の信託の目的を達成するため、第3条記載の財産を信託財産として管理、運用、処分およびその他当該目的達成のために必要な行為をすることを信託し、受託者乙はこれを引き受けた(以下「本件信託」という。)。

第2条(信託の目的) 本件信託は、受託者による資産の適正な管理・保全・運用・処分を通じて、受益者の生活・看護・療養・納税等に必要な資金を確保および給付するなどして、受益者およびその家族の生活の安定をはかるとともに、資産の円滑な承継を目的とするものである。

第3条(信託財産) 本件信託にかかる信託財産は、以下のものを含むものとする。

(1) 当初信託する財産 別紙信託財産目録(1)、(2)、(3)記載の不動産(以下「本件信託不動産」という。) (2) 本件信託不動産の賃貸、売却等の運用や処分により得られる金銭

第4条(信託財産の追加) 1 委託者は、本件信託財産に金銭を追加信託することができる。

2 前項の追加信託をする場合、委託者は、受託者指定の銀行口座(後記信託専用口座等)への入金により行うものとし、当該入金の事実をもって追加信託の合意があったものとする。

3 受託者は、前項の入金を受けたときは、速やかに追加信託を受けた旨の書面を委託者に対し交付する。

第5条(受託者)

1 本件信託の当初受託者は、次の者(乙)とする。

住所 東京都××区△△1丁目3番5号 氏名 ○○一郎 生年月日 昭和35年6月25日 2 次の場合には、受託者(乙)の任務が終了し、受託者(乙)があらかじめ書面により指定した者を後継受託者とする。

(1)受託者(乙)について、信託法第56条第1項各号に掲げる事由が生じたとき (2)受託者(乙)について、任意後見監督人選任の審判がなされたとき

第6条(受益者) 1 本件信託の当初受益者は、次の者(甲)とする。

住所 東京都××区△△1丁目3番5号 氏名 ○○太郎 生年月日 昭和10年2月4日

2 当初受益者甲が死亡した場合、次の3名が第二次受益者として受益権を承継取得する。

(1)甲の長男 ○○一郎(乙) 昭和35年6月25日生 (2)甲の二男 ○○二郎 昭和38年8月10日生 (3)甲の三男 ○○三郎 昭和40年11月3日生

上記3名の受益権の割合は、3分の1ずつとする。

第7条(受益権) 本件信託の受益権は、譲渡、質入れその他担保設定等をすることができない。

第8条(委託者の地位) 委託者の地位は相続により承継しない。

第9条(信託の終了) 本件信託は、次の各号の事由のいずれかが生じたときに終了する

(1)受益者と受託者が合意したとき (2)本件信託財産が消滅したとき (3)信託法所定の終了事由に該当したとき

第10条(本件信託に関する登記等) 1 委託者及び受託者は、本契約の締結後速やかに、本件信託不動産について受託者名義に信託を原因とする所有権移転及び信託登記手続をする。

2 受託者は、本件信託不動産から生じる賃料等収益、その売却代金、追加信託された金銭、その他信託財産に属する金銭について、信託口口座または受託者名義の信託専用口座への移動を行い、またこの信託口口座または信託専用口座において適切な管理を行う。

なお、受託者は、信託財産に属する金融資産について、前記口座以外の金融商品をもって管理運用する場合、同商品の口座ないし保管場所を固有財産の口座ないし保管場所とは別個とするか、同じ保管場所で保管する場合には同商品に信託財産である旨の表示を施すなど他の固有財産等と分別して管理するものとする。

第11条(信託の内容) 1 受託者は、本件信託財産の管理運用を行い、本件信託不動産については、受託者が相当と認めるときは、これを第三者に賃貸し、あるいは売却等の換価処分するものとする。

そして、受託者は、本件信託不動産から生ずる賃料その他の収益、換価代金並びに信託財産に属する金融資産をもって、信託不動産等にかかる公租公課、保険料、管理費及び修繕費、敷金保証金等の預り金の返還金、管理委託手数料、登記費用、その他の本件信託に関して生ずる一切の必要経費等を支払う。

2 受託者は、受益者の要望に応じ、受託者が相当と認める受益者の生活・看護・療養・納税等に必要な費用を、前記信託不動産の賃料等収益、換価代金並びに信託財産に属する金融資産の中から受益者に給付し、また受益者の医療費、施設利用費等を支払う。

3 受託者は、前2項の事務(以下「信託事務」という。)につき、事務遂行上必要と認めた場合、第三者にその任務を行わせることができる。

第12条(受託者の権限及び義務、信託の計算) 1 本件信託不動産の保存及び管理運用に必要な処置、特に当該不動産の維持・保全・修繕等は、受託者が適当と認める方法、時期及び範囲において行うものとする。

2 受託者は、本件信託不動産に付する損害保険については速やかに受託者を契約者とする手続またはそれに準じた手続をするものとする。

3 本件信託不動産については、受託者の裁量で第三者に賃貸することができる。

4 受託者は、信託の目的に照らして相当と認めるときは、本件信託不動産を売却等により換価処分することができるものとする。

5 前4項に伴い発生する一切の諸費用につき、本件信託不動産から生じる果実、換価代金その他本件信託財産に属する金融資産から支払いに充当することができる。

6 受託者は、本件信託不動産から生じる賃料等収益、その換価代金等、その他信託財産に属する金融資産について、信託口口座または受託者名義の信託専用口座において管理運用するほか、リスクの比較的少ない金融商品(預貯金、公社債、投資信託、金貨等を含む。)で管理運用することができる。

7 受託者は、本件信託開始後速やかに、信託財産目録、信託財産に関する帳簿等を作成し、本件信託期間中はいつでも受益者の請求に応じて閲覧に供することができるように保管するものとする。

8 本件信託にかかる計算期間は、毎年1月1日から同年12月31日までとし、計算期間の末日を計算期日とする。

ただし、最初の計算期間は、本件信託の効力発生日からその年の12月31日までとし、最終の計算期間は、直前の計算期日の翌日から信託終了日までとする。

9 受託者は、1年ごとに、各計算期日における信託財産目録および収支状況報告書等を作成して、その内容を受益者に報告する他、受益者の求めがあるときは、いつでも速やかにその求められた事項につき報告する。

10 受託者は、信託事務に必要な諸費用(旅費を含む。)を立替払いしたときは、これを本件信託財産から償還を受けることができる。

11 本件信託が終了したときは、受託者は、現務を終了して最終計算書を作成して、信託財産および関係書類等について後記清算受託者に引き渡し、事務引継を行う。

第13条(信託の変更) 受託者および受益者が協議し、両者の合意により、本件信託の内容の変更をすることができる。

第14条(清算事務) 1 清算受託者として、本件信託終了時の受託者を指定する。

2 清算受託者は、信託清算事務を行うにあたっては、本契約条項および信託法令に従って事務手続を行うものとする。

第15条(残余財産の帰属) 本件信託終了時の残余の信託財産は、次のとおり帰属させる。

(1)甲が生存している場合は、甲に帰属させる。

(2)甲が死亡している場合は、信託終了時の受益者に帰属させる。

なお、受益者が複数存する場合は、均等の割合で帰属させる。

 
 
 

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